舞台のお花
全くの素人の私が、最初に修行した老舗の花屋で学んだことはいっぱいあります。
花の持ち方から教わって、水揚げ、お花の掃除。お佛花、花束、アレンジの作り方、ラッピング。接客、札の制作、宅急便の梱包etc.etc
今振り返ると、花屋の仕事の基本をIで働いた3年間で学ばせてもらったと思います。
花を挿れさせてもらえるようになって、Iの奥さんにはよく注意されました。
「あなたの入れる花は白すぎる」
「あなたの入れる花は地味!華やかさがない」
「花を短く切りすぎ」
奥さんが束ねる花は、色とりどりで・・・ながーくて・・・
私にはどうしても素敵に思えず・・・。
花の協会で関西の支部長を務められた大先生の奥さんの教えを守ったり、守らなかったり守らなかったり、守らなかったり(ごめんなさーい)
そんな反抗的な(苦笑)私が、本当におくさんの仰る通りと納得したお花が、舞台、ステージのお花でした。
Iでは社交ダンスの発表会のお花のご注文が、定期的にありました。
ご予算にあわせて、ご用意するお花は、いつも、私にとっては 「はげしい」
ある日、奥さんに言われました。
「配達のあと一度ステージを見てきてごらんなさい。わかるから」
奥さんに言われたとおり、こっそり(汗)ステージを見せて頂きました。
なるほど・・・納得。
大きなステージでお渡しするお花は、私の好きな小さな白いお花をいくらたくさん束ねても、映えない・・・
今回、琵琶湖会館の大ホールで行われる、発表会のお花のご注文をいただいて、Iで学んだことをはっきり思い出しました。
金曜日、知恩寺の搬入を済ませたあと、みんなにディスプレイをまかせ、急いで市場へ。
予約を入れておいたお花をたしかめ、添えるお花を選んで
「よしっ!!」
土曜日、来店された仲良しのおきゃくさんMIKIKOちゃんのお言葉(笑)
「らしくないお花がいっぱーい」
「でしょでしょ」(嬉)
からんこえが今回ご用意させていただいた舞台のお花です。
スタンドはダリアムーンワルツ、ピンクの紫陽花と、バラスイートアバランチェをメインに。
指揮者の方へは大きなダリアカトリーナを。
プリマドンナの方へはバラ、ドルチェヴイータを。
男性のバレリーナの方へは赤いひまわりココアとスモークツリーを。
こちらは、出演されるHさまのお母さまからのご注文。かわいらしくとのことでした。バララプソディー、白いあじさい、アナベル、などでかわいく仕上げました。
場面場面にぴったりのお花をご用意する・・・花屋の仕事はやっぱり素敵な仕事です。
Iの奥さんに感謝です。