ご縁
数年前、私はたくさんの方に支援していただいて、「からんこえ」という名前であるボランティア活動をしていた。京都ではじめてということで、たくさんの新聞社が取り上げて下さった。
新聞記事を見て多額の寄付をくださった方がいらっしゃった。
Aさま 私の父親くらいの年齢の方。
私は年に数回支援者の方や利用者の方に、感謝の気持や活動について通信に書いて お出ししていた。
Aさまはそれを読んでお手紙をくださった。達筆でかかれた文章は優しさで満ちていた。
汚い字でお返事を書くのは少し恥ずかしかったけれど、がんばってお返事を書いた。
事情ができてその活動を続けられなくなった。
最後に感謝の気持を込めてみなさんに通信をだした。
Aさまからお手紙をいただいた。
私もお返事を書いた。
Aさまからお返事をまたいただいた。
私は幼い頃父親を亡くしていて、父親を知らない。
お会いしたこともないAさまに、父親を感じていた。
娘は「おかあさん、すてきなおじいちゃんと文通してるんね」と微笑んでいた。
私の人生は一変し、数年後、私は花屋になった。
ちとちゃんがお店をしてくれている時、最初お散歩がてらお店に入ってこられたTさまが、その後ご友人のお見舞いのお花を注文してくださった。
ちとちゃんの妹のナナちゃんが配達に行ってくれたら、配達先の方が「からんこえの奥さん お元気か?」と聞かれたそうで。
お届けしたのはAさまのお嬢様へのお見舞いのお花。本当に驚いた。
お手紙を書かなければとおもいつつ、忙しさにかまけてそのままになっていた。
先々週、Tさまがご来店された。
AさまのおじょうさんERIKOさまが亡くなられた、ご葬儀もすべて終わって、今度偲ぶ会を催すことになっている。お父様のAさまから、お花はすべてご縁のあったからんこえさんに頼むように言われている ということだった。
ご縁・・・なんと不思議な。
今の私にできる精一杯のお花をご用意させていただこうと思った。
ERIKOさんに喜んでいただけるお花で会場を飾らせていただこう。
ERIKOさまのご冥福を心からお祈りいたします。